矯正治療にはご紹介したとおり、いくつかのステップがありますが、装置で歯やあごの治療を終了した後、必要なのが「保定」です。たとえば、矯正装置をはずした後、そのままにしておくと、歯の凸凹などが戻ってきます。これを「後戻り」と言います。その 後戻りを防ぐのが保定です。
保定にはいろいろな方法がありますが、私たちのところでは、永久歯列ではトゥースポジショナーとリテーナーを中心に進めています。また、混合歯列(こどもの矯正)ではマルチファミリーなどのマウスピースを用いて歯列の完成を観察します。
永久歯列(Ⅱ期治療)や成人矯正治療後、装置を撤去した後に使用します。装着時間が長いほど 保定効果は高いのですが、実生活に合わせて就寝時や休日を中心に装着して頂いています。
メリットとしては
反面
等がありますが、全体としては保定効果の高い装置です。
料金は税込で¥33,000です。
左:セットアップモデルです。装置をはずす前に歯の型(印象)をとり、模型上で理想的な歯列配置をします。このとき、歯のちょっとしたねじれや傾斜など修正します。それの複製を作り、トゥースポジショナーを作ります。既製のトゥースポジショナーと比べて、手間がかかる分より精密な保定装置になります。
右:アライナーと呼んでいます。上記の複製模型から作成します。したがってトゥースポジショナーの上下が分かれたのと同様な形になります。トゥースポジショナーが使いにくい昼間などで使用します。
最も一般的に用いられる保定装置です。右のリテーナーはクリアタイプと呼ばれ、機能の制限はあるものの、装着しても目立たないのでよく使用されています。
伝統的なワイヤーを曲げて作るタイプもあります。機能的にはクリアタイプより良い面がありますが、表側にワイヤーが出てしまうのであまり審美的ではありません。
リテーナーは装置料に含まれていますので、基本的には無料です。
こどもの矯正(Ⅰ期治療)の場合、矯正装置終了後、保定に加えて乳歯の生え替わりなどの観察が必要になります。
右の可撤式咬合誘導装置(マルチファミリー)もそれに用いる装置のひとつになります。歯列拡大後、後戻りの防止の他に、乳歯が抜けた後の永久歯の萌出を誘導することが出来ます。必要に応じて、リテーナーと併用する場合もあります。